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不思議の国、ジャパン(12) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(12) (パウロ・ボケ) 制服は強制です。費用は5万円。自由化したら1万円ほどになるはず。もっと下げることも出来る。ところが、日本は中途半端にしか自由化できない。すると、以下のような事態になるのです。 さいたま市立大宮北高校の筒井賢司教頭は、今春の入学時をそう振り返る。 新1年生は旧制服とユニクロ制服を自由に選択できる。制服一式の価格は旧制服が約5万円なのに対して、ユニクロ制服は約1万2000円。後者を選択すれば、制服代を大幅に抑えられる。ところが、 半数を超える女子生徒はユニクロ制服とともに旧制服を購入した。 なぜなのか? 「 自分だけが目立つ服装はしたくない、突出してしまうことに対する不安がすごく大きかったと思います 。それで、ユニクロ制服はいいけれど、心配だから旧制服も買って、まわりを見ながら着よう、となったようです」 「旧来の制服か、ユニクロ制服か」というのは「ベネッセのテストしか受けられない」のと同じで、業者との癒着ですね。なぜ 「好きな服を着て登校していいよ」 「河合塾のでも、駿台のでも好きなテスト受けていいよ」 と、出来ないのだろう。 中途半端なこと

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不思議の国、ジャパン(11) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(11) (パウロ・ボケ) 日本の「社会」の教科書には「賃金の安い労働力を求めて日本の企業がアジアに進出した」と書かれていました。この文章を読んでくださっている方も、そのような記述を読んだ覚えがあると思います。 実は今、海外で高い給料を手にできるのは寿司職人だけではない。営業840万円(日本の平均給与379万円)、ITエンジニア1020万円(日本の平均給与497万円)、コンサルタント1040万円(日本の平均給与480万円)などと、同じ仕事・同じ能力でも海外に出た方が倍々ゲームで稼げてしまう。  2021年度の日本の最低賃金は930円(2022年度は961円)、平均年収は470万円で、G7の中で最下位。30年間ほとんど上がらず、海外と比べると倍以上離されている。 私もアメリカで「ニッポンはアジアの中で最も生活水準が高い国」と習いました。でも、現在は事情が違うようです。日本の安い労働力を求めてアジアの企業が進出し、土地を買いあさっているそうです。 「失われた30年」の間に何が起こったのでしょう?私はニッポンの学校を見ていると原因が分かるような気がするのです。寄ってたかっ

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不思議の国、ジャパン(10) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(10) (パウロ・ボケ) 私はユタ州の生まれ育った地区の教会で、プライマリークラスに出席していた頃から次の聖句を学んできました。 主は黙示録第3章で、ラオデキアの教会の天使になまぬるさについて話しかけられました。 ヨハネの黙示録第3章15-19節 「わたしはあなたのわざを知っている。あなたは冷たくもなく、熱くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あなたを口から吐き出そう。 つまり、神様は 「冷たいか熱いかを望まれて、どちらつかずの生ぬるいものはお嫌いなんだ」 ということを胸に刻んで育ってきました。 子供の頃、母が 「ダウンタウンに行くけど、ついてくる?」 と言われた時、Whichever is fine. (どちらでもいいけど) と答えたら、 「イエスかノーか明確に答えなければなりません」 と説教されたことを覚えています。 学校で科学を習った時も、 「実験結果を見れば、仮説が正しいか間違いか分かります」 と、説明を受けて納得したものです。「正しいと間違いの中間」なんて結果は、科学には存在しないのです。

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不思議の国、ジャパン(9) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(9) (パウロ・ボケ) 私たちアメリカ人は、イルカを殺す日本人や犬を食べる韓国人に違和感を持ちます。 「やっぱりアジア人は野蛮人だ!」 という印象を持つわけです。 その根源的な理由は 「イルカや犬は知能が高いから」 という動物観があります。これは、逆に言うと 「頭の悪い動物は殺しても構わない」 ということです。 それは経済活動にも表れています。日本人は経済格差が「けしからん!」と憤る人がいますが、アメリカはもっと格差が大きい。 世界一の経済大国である米国の状況を見ると、全世帯の富は成人一人当たり平均4,010万円で日本の1.6倍の富を所有している。階層別に見るとボトム50%が日本の0.4倍、ミドル40%が1.2倍、トップ10%が1.9倍、トップ1%が2.2倍となっており、日本に比べて貧富格差が大きいことが分かる。なお、米国のボトム50%の富は中国のそれをやや下回る。 ここでも 「頭の悪い人間が惨めな環境に置かれるのは構わない」 という生き物の法則を信じている人が多いことが分かります。だって、そういうアメリカが世界一豊かな国である現実があるから誰も私たちの価値観を否

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不思議の国、ジャパン(8) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(8) (パウロ・ボケ) 私の生まれ育ったアメリカ、ユタ州ローガンでは難民以外の人はほとんど末日聖徒イエス・キリスト教会の会員でした。アメリカの50州の中で平均寿命や平均貯蓄額、学歴の高さなど自慢できることが多かったです。 つまり、 「神様の言われたとおり(聖書の教えどおり)生きていれば大きな間違いはない」 というのが生活実感で、別に洗脳されたと思っていません。 しかし、日本に来てから 「神様なんて居るわけないだろう!」 という人が多数派だと知ってショックでした。 私たちアメリカ人は、中国や北朝鮮の共産主義という政権が嫌いです。共産主義は宗教を否定する。簡単に言うと「神様の存在を否定する」。それは、欧米の善悪の基準で無いということを意味します。 だから、中国や北朝鮮は人権を否定する。命の値段が安い。神様ではなく「皇帝」「将軍」が最高の権威となる。中国のチベットやウイグルで行われているのは、チベットやウイグルの独自の文化、宗教、言語を踏みつぶして漢民族独裁をめざしているように見えるわけです。 中国政府はその施設を「教育施設」と呼び、欧米は「強制収容所」と呼びわけです。

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不思議の国、ジャパン(6) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(6) (パウロ・ボケ) 私は日本のNHKの大河ドラマが大好きです。「麒麟が来る」がとても好きでした。昔の日本語は難しいですが、アメリカ人の私にも400年以上前の日本人の主人公たちの葛藤が良く分かりました。 大河ドラマは「戦国時代」と「明治維新」の時代がよくヒットすると聞きました。ノブナガの時代は南蛮貿易の時代でスペイン人やポルトガル人が日本にやってきてサムライたちの戦い方を根本的に変えた革新の時代だったようです。 「明治維新」は、我が国のペリーの黒船から始まったようです。日本人はチョンマゲを切り、着物を捨て、様式の軍隊に編成し直したそうです。日本人は対応力に優れていて、日本人はそこに誇りを感じているのではないでしょうか。 そして、現代。私たちALTはある意味の黒船になれると思っていました。明治維新の時にチョンマゲを切ったように、学校の髪型は自由化されると思いました。着物を捨てたように、制服は自由化される。藩を捨てて県に変わったように文科省も教育委員会も変わると期待しました。 ところが、今の日本人は対応力を失ったかのようです。硬直した「コーソク」を変えることが出来ま

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不思議の国、ジャパン(4) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(4) (パウロ・ボケ) 私は子供の頃にハムスターを飼っていました。ある時、友達がメスのハムスターを飼っていると聞いて私のオスのハムスターと仲良くなれると思い同じケースの中に入れてみたことがありました。 すると、アッと言う間に私のハムスターは友達の大きなメスに追いかけられて食い殺されてしまったのです。ショックでした。自分の無知を恥じました。死んでしまったハムスターを見て泣きました。なんと残酷なことをしてしまったのだろう。 あれ以来、私は 「生き物は同じ空間に放り込むと、強い者が弱い者を食い殺すものだ」 と悟りました。幸いなことに私の育ったローガン中学校では同じ空間に長時間閉じ込められることはありませんでした。高校も大学も同じシステムでした。 ところが、日本に来て驚きました。日本には「クラス」という独特のシステムがあり、早朝から日没まで同じ空間に同じメンバーが閉じ込められます。 「こんなことしたら・・・」 と、私は危惧しました。 尋ねてみたら、やっぱり毎年「イジメ」が起こり、毎年「自殺者」が出るそうです。不登校や引きこもりという病を発症する子も数万人になるとのこと。当

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不思議の国、ジャパン(3) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(3) (パウロ・ボケ) 私が初めて日本を知ったのは大学生の頃に2年間、山形県の天童市で宣教師をした時でした。当時はよく分かりませんでしたが、今思うとトーキョーなどでは見られない古き良き日本文化が残っていて良い町でした。 私は今のニッポンに少し失望しています。それは、天童市に住んでいた頃と違って先のことが不透明だからです。たとえば、安倍首相の暗殺。その背後に韓国発の「統一教会」という組織が関わっているらしいこと。 自民党は8日、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)について、党所属国会議員379人のうち、179人に何らかの接点があったとする調査結果を公表した。選挙でのボランティア支援を受けたのは17人、組織的支援を受け入れたのは2人だった。 自民党は、戦後一貫して韓国に“謝罪外交”を続けて賠償金を湯水のごとく韓国に流し続けて来ました。その政策決定に統一教会が関わっていなかったのか、よく分かりません。安倍元首相の国葬も法的根拠がないまま強行されるようです。 誰が、いつ、総額いくらかけるのかを決定したのか分からない。全て密室での決定。 私のいる学校関係のシステムもほとん

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不思議の国、ジャパン(パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(パウロ・ボケ) 私は日本にATLとしてやってきてから10年以上日本で生活している。その10数年で英語教師、英語講師として見てきたニッポンの不思議さを日本人の方たちにお伝えしたいと思う。 私の生まれ育ったアメリカのユタ州は末日聖徒イエス・キリスト教会が作った州なので、特別かもしれません。教会が世界中に宣教師を送り出しているので、がスランス語教師やスペイン語教師は必ず現地での生活体験がありました。 ところが、日本に来て最初に驚いたのは日本人の英語教師のほとんどが英語圏での生活体験がありません。英語のレベルも極めて低くて私たちネイティブと支障なく会話できる「先生」はあまりいませんでした。 10年も住んでいると、日本には学校の他にも「塾」や「英会話学校」がどんな小さな町にもあることが分かってきました。日本は世界的に見ると閉鎖的な国で、移民もほとんど受け入れてきませんでした。その結果、塾や英会話学校の先生たちも英語圏の人たちと話した経験がほとんどありません。 これは、極めて異常な状態なので 「どうしてこんなことになっているのか」 を観察して分かったことがあります。それは、日

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不思議の国、ニッポン

不思議の国、ニッポン 和田秀樹さんの「新・受験技法」は面白いし、佐藤ママさんの講演会も人が多く集まる。そういう本を読んだり、講演会に出向く人は東大・京大・国立大医学部をめざす生徒の保護者が多い。 日本は成文法のお国柄 「どんなことにも正しいやり方があるはずだ」 と盲目的に信じる人が多い。 しかし、受験指南書を読み、講演会に出かけると合格の確率が上がるのだろうか? 私の経験から判断すると 「勉強法の研究と合格の確率は相関関係がほとんどない」 合格するためには英語の語彙を増やし、数学の解法の定石を知る必要がある。勉強法を研究しても語彙も増えなければ定石を学ぶことも出来ないのだから、冷静に考えれば分かることだ。 私は4名の京大医学部合格者の指導をしたことがある。他にも、阪大医学部、名大医学部、慶応医学部などに合格した生徒を指導させてもらったこともある。例外なく、そういう優秀な生徒は成文法的なアプローチは採らない。判例法的なアプローチを採る。 学校のカリキュラムも無視して、定型的な方法など信じていない。とにかく問題に集中して合格してふり返ったら自分なりの勉強法が確立されていたという順番だ。 集

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