
不思議の国、ジャパン(9) (パウロ・ボケ)
私たちアメリカ人は、イルカを殺す日本人や犬を食べる韓国人に違和感を持ちます。
「やっぱりアジア人は野蛮人だ!」
という印象を持つわけです。
その根源的な理由は
「イルカや犬は知能が高いから」
という動物観があります。これは、逆に言うと
「頭の悪い動物は殺しても構わない」
ということです。
それは経済活動にも表れています。日本人は経済格差が「けしからん!」と憤る人がいますが、アメリカはもっと格差が大きい。
世界一の経済大国である米国の状況を見ると、全世帯の富は成人一人当たり平均4,010万円で日本の1.6倍の富を所有している。階層別に見るとボトム50%が日本の0.4倍、ミドル40%が1.2倍、トップ10%が1.9倍、トップ1%が2.2倍となっており、日本に比べて貧富格差が大きいことが分かる。なお、米国のボトム50%の富は中国のそれをやや下回る。
ここでも
「頭の悪い人間が惨めな環境に置かれるのは構わない」
という生き物の法則を信じている人が多いことが分かります。だって、そういうアメリカが世界一豊かな国である現実があるから誰も私たちの価値観を否定できません。
ただし、その弱肉強食の競争社会の一方にクリスチャンの精神が息づいているわけです。金持ちは、一般的に弱者救済の寄付をたくさん行います。社会活動をしない金持ちは尊敬されません。
ところが、日本は弱肉強食の競争社会の面だけ欧米をモデルにしてキリスト教の精神は学びませんでした。その結果、寄付という習慣が根付きませんでした。その代わり「自己責任」という言葉が広がりました。
高校も大学も細かくランクが付けられて「トーダイ」「キョーダイ」「ハンダイ」「メーダイ」といった大学が最高ランクで、Fラン大学というのが最低だそうです。国立大学は税金が投入されているのだから、社会貢献をする人材を育成するのかと思ったら違うらしい。
全てが「自己責任」なので、その高学歴を武器にして個人の収入を上げることに専念しているようです。欧米だと見下されるような人生を送っている人が、日本社会では勝者として扱われています。
宗教を否定している共産主義国家ー昔のソ連、現在の中国・北朝鮮ーが世界中から尊敬されないのは民主主義の基本にあるクリスチャンの価値観が抜け落ちているからです。日本人は「日本は民主主義国家です」と言いますが、学校での生活を思い出してほしいです。
全員が同じ服装、同じ靴、同じ鞄、同じ髪型、同じカリキュラム、同じ教材。そんな国を、私たちアメリカ人は
「基本的人権である自由権が守られている」
とは言いません。刑務所か軍隊かと思います。
しかも、早朝から日没までクラスやクラブという空間にしばりつける。土日も大会で、夏休みも実質登校させられる。ほとんど、強制収容所に閉じ込められた中国のウイグル人やチベット人と同じ扱いに感じます。
若い日本人は
「さすがにおかしいダロ」
と気づき始めていて、ブラック部活やブラック校則は廃止の方向が決まっています。しかし、権力を握っている校長や教育委員会の動きは鈍いですね。
できるだけ早く、日本の中学生や高校生の子たちを奴隷のような扱いから解放してあげてほしいですね。国民全体の死活問題ですよ。
与えられた課題をこなすのは得意だが、創造性を発揮するのは苦手、という日本人の特質は、次世代の技術を担う研究開発にも深刻な影響を及ぼしています。日本人にも創造性のある人材は存在していますが、社会がそれを受け入れず、才能を開花させる仕組みがないため、多くの頭脳が海外に流出しているのです。 2021年9月、光触媒の発見者であり、ノーベル賞候補にも名前があがる藤嶋昭東京理科大元学長を中心とする研究グループが、中国の上海理工大に移籍することになりました。同大学は今後、光触媒に関する国際的な研究所を設置する考えで、藤嶋氏らのチームはその中核的な人材となるそうです。
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