不思議の国、ジャパン(16) (パウロ・ボケ)


キョウダイセブン2022/10/01 00:37
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不思議の国、ジャパン(16) (パウロ・ボケ)



   大阪府高槻市で全ての中学校の美術室にエアコン設置を要望している教諭が、要望活動を理由に懲戒処分を受けたことがわかりました。「高槻市立第二中学校」で美術を教えている好田得二教諭(60)は、市立の全中学校の美術室にエアコン設置を求める活動を続けていましたが、校長らに妨害されたことで今年4月に適応障害を発症したとして、市などに損害賠償を求める訴えを起こしています。

  大阪府によりますと、好田教諭が今年7月までの1年間、勤務先の中学校の印刷機や用紙を無断で使い、エアコン設置の署名を呼びかけるチラシなどを印刷して生徒に配布。



  私は日本に来て1年も経たないうちに

「日本では基本的人権の表現の自由は名目だけである」

 という現実に気が付きました。



 学校だけの話ではありません。日本には、どの分野であれ“有力者”とか“ドン”と呼ばれる人がいますね。そして、その方の意向に反する発言をすると「処分」という名の降格やら左遷をさせられてしまう。その不利益が怖いので、発言の自由は名目だけなのです。



 この好田得二先生は60歳にもなって、日本の現実をご存じなかったのだろうか?不思議の国ですね、ジャパンは。



 日本の学校での一番のドンは、教頭や校長。次に、教育委員会と文科省。こういう人に逆らったら未来はありません。私たちATLも生徒が熱中症になるかどうかより、ドンの意向が何なのかに目を向けていないと職場環境が悪くなるんです。



 ただ、問題は日本人同士では「ソンタク」や「イシンデンシン」と言って「空気を読む」ことが普通に行われているのですが、私たち外国人には何も分からない。私の場合は、アメリカに留学経験のある友人に頼っています。



 アメリカのような移民の国では、言葉が全てです。白人だけでなく、アジア系、アフリカ系などの寄せ集めの国ですから特定の文化の求める「腹の探り合い」は危険でさえあるのですね。言わなければ分からない。



 先日の安倍元首相の「国葬」もそうです。法律という言葉による規定は何もない。でも、何となく「チョーイ」の表明や「モクトウ」が求められている感じです。



 立憲民主党と共産党は5日、安倍晋三元首相の国葬を巡り、政府へのヒアリングを国会内で開いた。文部科学省は国葬当日に学校で黙とうが行われた場合、拒否した教職員や生徒、児童が処分されたり、不利益を受けたりすることは全く想定していないとの見解を示した。担当者は処分などについて「そういうことをする自治体はないだろう」とも述べた。



 モクトウを拒否した生徒や児童が処分されることはない。そういう念を押さないといけないくらい、学校現場では「アツリョク」を感じるわけですね。ニッポンという国は、法律や規則といった明確な言葉による決め事ではなく、ドンの意向が全てらしいんです。



 これって、日本人の方々は「コワイ」と思わないのでしょうか?本当に、不思議の国です。

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