不思議の国、ジャパン(7) (パウロ・ボケ)


キョウダイセブン2022/09/21 00:55
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不思議の国、ジャパン(7) (パウロ・ボケ)



 日本の「受験」はアジア諸国と同じように過酷です。トウダイやキョウダイの倍率は共通テストでふるいにかけられた後でも3倍前後です。それに比べたら教員採用試験の倍率は信じられないほど低い。



【2021年度小学校教員採用試験倍率「2.0」未満の都道府県・指定都市】

 1.4倍:佐賀県 1.5倍:福岡県、長崎県、富山県 1.6倍:大分県、山形県 1.7倍:広島県、山口県 1.8倍:福島県、秋田県、宮城県、山梨県 1.9倍:宮崎県、茨城県、福岡市



 これは、言うまでもなく労働環境がブラックであるのに給与が低いから若者に見捨てられているからです。ランクの高い大学の卒業生は、もっと良い待遇の就職先がいくらもあるのだから教員になる人はほとんどいません。



 つまり、教員の質の低下が起こっているということです。

 

時給633円というのは僕が1年目の中学教員だったときの数字です。

計算方法は以下の通り。

1年目の手取り年収270万円

年間の労働時間4264時間

270万円÷4264時間=時給633円

中学校は部活動があったからですね。しかも僕が初任だった2013年は最も活動量が多かった時代ではないでしょうか。

今後地域移行が進んで改善されることを願っています。平日は15時間くらい勤務して休憩なし、休日も7~8時間は平日に積み残した仕事と部活の練習をしていました。往復に2.5時間かかっていたのでそれを含めちゃうと時給は535円くらいでした。よく辞めなかったな(笑)



 今はコンビニでも時給が1000円近いところが多い。時給633円なんて発展途上国かって話。結婚できない。そんな“常識”が若者の間に広がっているので、教員を志望する人なんかほとんどいないわけです。



 倍率が1.4倍と言うことは、7人受けたら5人受かるってことです。これではロリコンの方が紛れ込んできてエロ時間が多発するのも頷けます。恐ろしい時代になってしまったということです。



 ヨーロッパもアメリカも事情は似たようなものなので、午後には生徒を学校から解放してあげるわけです。私の母校のローガン中学校でも、教師の多くも副業を持っていました。



 教師に大した人材がいないのだから、出来るだけ早く帰宅させてあげてボーイスカウトや教会の指導者など“プロ”の優れた指導者のもとに行く。その方が、生徒たちも各分野の一流の指導者に出会えて才能が開花しやすい。



 ところが、日本ではアマチュアの先生方が「部活」の指導者をやっています。野球のルールをよく知らない野球部の顧問なんて、生徒に失礼でしょう。先生より才能の豊かな生徒が多いのだから。



 アメリカの高校では

「数学オリンピックに出場するような高校生を学校の教師ごときが指導できるわけがない」

 と最初から指導を諦めているので、飛び級もあれば学校に縛り付けることもありません。日本も先進国でいたいなら、いつまでも「みんな一緒」という同調圧力は無くす必要があると思います。



 とりあえず、強制部活は解体して学校以外の世界を生徒に見せてやるのが良いと思います。

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