
不思議の国、ジャパン(11) (パウロ・ボケ)
日本の「社会」の教科書には「賃金の安い労働力を求めて日本の企業がアジアに進出した」と書かれていました。この文章を読んでくださっている方も、そのような記述を読んだ覚えがあると思います。
実は今、海外で高い給料を手にできるのは寿司職人だけではない。営業840万円(日本の平均給与379万円)、ITエンジニア1020万円(日本の平均給与497万円)、コンサルタント1040万円(日本の平均給与480万円)などと、同じ仕事・同じ能力でも海外に出た方が倍々ゲームで稼げてしまう。 2021年度の日本の最低賃金は930円(2022年度は961円)、平均年収は470万円で、G7の中で最下位。30年間ほとんど上がらず、海外と比べると倍以上離されている。
私もアメリカで「ニッポンはアジアの中で最も生活水準が高い国」と習いました。でも、現在は事情が違うようです。日本の安い労働力を求めてアジアの企業が進出し、土地を買いあさっているそうです。
「失われた30年」の間に何が起こったのでしょう?私はニッポンの学校を見ていると原因が分かるような気がするのです。寄ってたかって才能のある子を潰しにかかっている。出る杭を叩きまくる。
ビル・ゲイツやスティーブジョブズは、性格が尖がっています。周囲の人とうまくやれない場面も多いそうです。でも、アメリカ社会は変な人が好きで支持する人がたくさんいます。
私の生まれ育ったローガン中学校でも「人と違うことをやれ」という指導方針でした。だから、クラスという単位や強制部活など存在しません。集団生活を強要すると、才能の芽がつぶされるのです。
もちろん、ニッポンでも抵抗する人も、逃げ出す人も、自殺する人さえ居るわけです。しかし、その全ては教師、教育委員会、文科省に隠ぺいされるし、同調圧力につぶされてしまう。
現在進行形で才能のある人は海外に脱出中です。頭脳の流出です。国内に残された人は安く使われる人ばかりとなりつつあります。人材の流出が起こっていることに気づいていても「ミスター検討中」の岸田総理は何もしません。
私たちALTが教材や指導方法を“提案”しても「検討します」と言われるだけ。日本語で「検討します」は「何もしません」という意味だと知りました。特に、50代、60代の教師の方たちは現実を見ようともしない感じですね。
私が何か言うと
「日本には日本の良いところがある。アメリカとは違う」
と言われる方もみえる。私はそれぞれの国が文化や伝統を重んじるのは良いことだと思います。
ただ、人間はいつの時代、どの国でも「自由」「平等」といった基本的人権は尊重されるべきではないでしょうか。着たくもない服を着せられ、履きたくもない靴をはかされ、やりたくもない部活を強制され、居たくもない人と同じ空間に閉じ込められる。
こういう状態は、学校ではなく収容所というのが世界基準です。日本の学校は教育機関というより、収容所で洗脳しているような気がします。
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