不思議の国、ジャパン(12) (パウロ・ボケ)


キョウダイセブン2022/09/27 09:48
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不思議の国、ジャパン(12) (パウロ・ボケ)



 制服は強制です。費用は5万円。自由化したら1万円ほどになるはず。もっと下げることも出来る。ところが、日本は中途半端にしか自由化できない。すると、以下のような事態になるのです。



 さいたま市立大宮北高校の筒井賢司教頭は、今春の入学時をそう振り返る。

 新1年生は旧制服とユニクロ制服を自由に選択できる。制服一式の価格は旧制服が約5万円なのに対して、ユニクロ制服は約1万2000円。後者を選択すれば、制服代を大幅に抑えられる。ところが、半数を超える女子生徒はユニクロ制服とともに旧制服を購入した。  なぜなのか? 「自分だけが目立つ服装はしたくない、突出してしまうことに対する不安がすごく大きかったと思います。それで、ユニクロ制服はいいけれど、心配だから旧制服も買って、まわりを見ながら着よう、となったようです」



「旧来の制服か、ユニクロ制服か」というのは「ベネッセのテストしか受けられない」のと同じで、業者との癒着ですね。なぜ

「好きな服を着て登校していいよ」

「河合塾のでも、駿台のでも好きなテスト受けていいよ」

 と、出来ないのだろう。



 中途半端なことをするから、

「ユニクロやベネッセから賄賂を受け取っているのでは?」

 と、疑われる。私の育ったローガン中学校は他のアメリカの中学校同様、私服通学だし使いたい問題集を使えるし、受けたいテストを受けられる。日本のような“ドン”に決定権があるシステムではありません。



 私たち外国人講師が

「クラス単位とかクラブ単位とか、集団指導には欠点がありますよね」

 と言うと、必ず

「団結心を学べる」「ワンチーム」「制服を自由化したら規律が乱れる」

 と反対論で説明されます。



 でも、アメリカの中学校にはクラスもクラブもなくても国民として団結心はありますよ。制服は無いけれど、規律は乱れていません。事実を直視して欲しいと思いますね。



 世界的に見て「安く使える日本人」に落ちぶれてしまったのに、他国から何も学ぼうとしないのでは日本から頭脳の流出は止まりません。学校は、優秀な生徒に見捨てられて久しいですが今からでも遅くはありません。



 でも、残された時間はあまり無いと思います。ブラック校則全廃、クラス解体、部活の自由化、制服廃止。髪型自由。やることはたくさんあります。



 日本では問題解決のために多数を集め会議をする。時間は予定を超過して議論は堂々巡りするだけ。リーダーは意見を集約しベストの解を見いだす能力に欠けるため、結局継続審議となる。 筆者の大学でも、教授会に200名ほど参加して、2時間後に何も結論がなく散会することがしばしばである。

  あるとき、思い余って「教員の時間給は1.5万円、今日は2時間の会議で、学生の授業料から600万円が消え去ったのと同じ」と発言したら、ほかの教員から「仮想通貨の話をしない」と冗談でかわされてしまった。 筆者がドイツに留学していた頃、議論をして時間内に結論を出す、いや結論を出すために議論をしていた。

 当然、最善の答えを出す能力がある人がリーダーの条件で、その能力のない人は、会議の主催者にはならない。その背景には初等中等教育における「自立した個人の育成」がある。 つまり、自分で考え、「その思い」を皆の前で述べ、議論し、より正しい解に近づいて行くように、小学校の頃から育成されている。知識より個人の思い・独立性・自立性がその教育で優先される。(浅川基男)



 ニッポンは「その能力のない人が、主催者(権力者)になっている」不思議の国です。



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