
不思議の国、ジャパン(14) (パウロ・ボケ)
アメリカにも日本の「公正取引委員会」にあたる組織があります。アメリカには予備校や塾に相当するものがほとんど無いし、私は法律の専門家ではありません。しかし、ALTとして日本に来て予備校や塾の存在を知り「キャッチコピー」を見て驚きました。
なぜなら、キョーダイを落ちた講師が「キョーダイ受験クラス」を指導していると知ったからです。英語圏で生活したこともなく、英検1級に合格しているでもなく、キョーダイを落ちてドーシシャに言った先生が「絶対キョーダイに合格させます」と発言したら、アメリカ人の感覚では詐欺です。
訴訟が怖いので、そんなこと絶対にしません。
大リーグでプレイしたことがない選手が「大リーグで活躍するためにはね」と解説を始めたら、アメリカでは「嘘つけ!」と訴えられる可能性があります。
ところが、日本では大きな予備校の発表するキョーダイ合格者数の合計がキョーダイの定員を上回っていると聞きました。ここまでいくと、アメリカなら明確に詐欺なので、訴えられるでしょう。
アメリカは日本と違って訴訟社会なので、誰もそのようなリスクの高い誇大広告はしません。訴訟に負けた場合は、莫大な賠償金が待っていますからね。
ところが、日本では「合格保証」という言葉さえ平気で使われています。
T予備校、J予備校、M塾など、最近、「合格保証制度」や「不合格だったら授業料を返還します」と、謳い文句にしてる予備校が増えてきました。見たところ、良心的な運営をしてるようですが、よく考えればおかしな制度です。なぜなら、第1に合格保証しなければ、不安で、その予備校に行けないのかということです。
新聞で、堂々と100%近い合格率を誇るみすず学苑では、考えられないことです。合格保証を謳い文句にしなくても、事実として、ほぼ合格が保証されてるからです。人間のする事ですから、100%はあり得ません。だからこそ、本人も予備校も努力するのです。それが、健全なる人の道でしょう。
この「みすず学苑」の言われるとおりですね。誇大広告的なキャッチコピーを載せる予備校や塾は人の道を外れていると思います。それは、アメリカ人だからとか日本人だからとか関係ないと思います。
メガスタは、受験生一人ひとりの志望校の傾向に合わせた指導を行い、逆転合格を実現してきました。その合格実績は日本最大級です。もし今、偏差値が志望校に届いていなくても、勉強のやり方さえ変えれば、一気に成績を伸ばし、憧れの大学に合格することも可能です。
憧れの大学がキョーダイの場合「一気に成績を伸ばして」くれるのでしょうか?英語圏では gifted と言って、学力も歌や運動能力と同じように「神様のくれたもの」と考えるのが普通です。キリスト教の影響が大きいからかもしれませんが。
人が人に教えることで、キョーダイなどの難関大学に合格させるという発想はしません。
「学校で教育すれば、予備校や塾で教えればスティーブ・ジョブズを生み出せる」
というのは、クリスチャン的には傲慢に聞こえます。そのようなことは科学的に考えても不可能ではないのでしょうか。
やっぱり、ニッポンという国は不思議の国なんですね。
0 comments
Be the first to comment!
This post is waiting for your feedback.
Share your thoughts and join the conversation.