不思議の国、ジャパン(6) (パウロ・ボケ)


キョウダイセブン2022/09/19 00:13
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不思議の国、ジャパン(6) (パウロ・ボケ)



 私は日本のNHKの大河ドラマが大好きです。「麒麟が来る」がとても好きでした。昔の日本語は難しいですが、アメリカ人の私にも400年以上前の日本人の主人公たちの葛藤が良く分かりました。



 大河ドラマは「戦国時代」と「明治維新」の時代がよくヒットすると聞きました。ノブナガの時代は南蛮貿易の時代でスペイン人やポルトガル人が日本にやってきてサムライたちの戦い方を根本的に変えた革新の時代だったようです。



 「明治維新」は、我が国のペリーの黒船から始まったようです。日本人はチョンマゲを切り、着物を捨て、様式の軍隊に編成し直したそうです。日本人は対応力に優れていて、日本人はそこに誇りを感じているのではないでしょうか。



 そして、現代。私たちALTはある意味の黒船になれると思っていました。明治維新の時にチョンマゲを切ったように、学校の髪型は自由化されると思いました。着物を捨てたように、制服は自由化される。藩を捨てて県に変わったように文科省も教育委員会も変わると期待しました。



 ところが、今の日本人は対応力を失ったかのようです。硬直した「コーソク」を変えることが出来ません。ノブナガやリョウマの時代のような時代に対応した変革ができないのです。どうしてなんでしょう?



 戦国時代には「ガッコー」がありませんでした。明治維新の頃も「寺子屋」や「藩校」しかありませんでした。辞書など普通は手に入りません。そんな時代に、ノブナガやリョウマたちは日本を大きく変革していきました。



 今のニッポンは、世界有数の経済大国です。しかし、国力は低下の一途をたどっています。



 

 日本の「国力低下」は顕著です。2000年に世界2位だった一人あたりのGDP=国内総生産は、28位に下落。 また、スイスの調査機関が公表している「経済的競争力の国際比較」でも、1989年から4年連続1位だった日本は、現在34位に。 さらに、通貨の実力を示す「実質実効為替レート」もドルやユーロなどに対し、円の実力は、51年前の水準にまで低下しているといいます。



 今、ノブナガやリョウマが生きていたらニッポンをどう変えるのでしょう?



『今の日本の問題点』というテーマで、竹中氏は「今の農水大臣、どういう方かご存じですか?農協(農業協同組合)出身者ですよ(※野村哲郎参院議員、78歳)。今の厚生労働副大臣は元の(日本)医師会副会長ですよ(※羽生田俊参院議員、74歳)。今の総務副大臣は(元)全特代表(全国郵便局長会会長)ですよ(※柘植芳文参院議員、76歳)。こんな族議員の人がそのまま大臣になってる内閣って、初めてだと思いますが、そのことをどの新聞も書いてない」と批判。



 こういう70代の利益代表の人たちが日本のリーダーなのですから「変革」などできるわけがありません。変化を邪魔する既得権益の権化の人たちばかりです。私は日本の政治に詳しくありませんが、ガッコウも同じだと感じます。



 校長先生、教師の方たち、教育委員会のえらい方たち、そして文科大臣。みんな自分の身分を維持すること以外は視野に入っていません。10年前と同じノートを使って、10年前と同じ授業を行っています。何も変わらないのがベストなのです。



 英語で言えば、音声がテープからCDやダウンロードに変わっただけで中身は何も変わりません。解説が紙の教科書からタブレットに変わっただけで中身は何も変わりません。私たちALTなどお飾りにしか過ぎません。



 自分たちで生徒の英語力を評価できる力がないので、ベネッセなど民間会社の評価に丸投げです。テスト作成能力も無いので外部テストに丸投げです。しかし、その民間の作成したテストも私たちネィティブが見ると“クイズ”でしかありません。



 でも、能力も意欲もない人たちが「ドン」なので誰も口出しできません。まるで、大河ドラマに出てくる江戸のショーグンのようです。自分の世界以外は見たこともないので対応できないわけです。



 そんな指導者に従うように教えられるニッポンの中学生や高校生が気の毒でたまりません。



 アメリカは若い国なので、アジアやヨーロッパに存在する貴族という階層はもともと居ません。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズは一代で富を築き上げました。基本的に、実力主義の社会なのでコネや世襲などはありえません。



 日本に来て驚いたのは、ポジションと才能が一致していないことでした。教育委員会の長という人は、アメリカでは人格者で尊敬されるタイプの人でないと務まりません。それは、校長も同じです。



 ところが、日本では校長会や教育委員会というのはしばしば腐敗の温床です。教科書の採択の時は、怪しい業者が出入りしてワイロを渡して教科書を採択してもらい関連教材を独占販売しているとの噂が絶えません。



 私たちALTには何の権限もありませんし、全て密室の中で決まるので透明性はゼロですね。

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