「俺には、もうあんた以外なんにも無くなってしまったんだよ」
「貴方が幸せになる場所が、出来れば私の隣であって欲しいと祈っているわ」
瀕死の重傷を負った剣士が目を覚ましたのは、不思議な森。
記憶を失った男は、自分を助けたセレナという女性のもとで暮らし始める。
しかしその森は、亡きセレナの母親、「お母様」によって改造され尽くした、文字通りの怪異の森だった。
少女のような美しい容姿、白銀の髪、月光の瞳。
茶目っ気のある性格で、男を振り回してばかりの天才魔道学者、セレナ。
長身で屈強な歴戦の剣士。真面目だが小姑のように口煩く怒りっぽい男。
「あんたをお姉さんなんて呼ぶわけないだろう!」
怪異の森には、毎日のように男の怒声が響く。
一歩踏み出せば危険が迫る仄暗い森で暮らしながら、男はセレナと共に「お母様」の人生を追う。
2020年4月から小説家になろうで連載している小説です。更新情報はTwitterにて。
著者 藺草鞠
絵 藺草鞠
(https://twitter.com/mari_igusa/status/1270013717497786368?s=21)