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「あああああああぁぁ!!!」


 足も頭も痛くて声を出すのすらきついくせに、無理矢理喉仏から張り上げて叫んだ。

 枕元にあったあづが持ってきてくれた本を掴み、破いた。何十ページも一気に。病院の本だとわかっても、そうせずにはいられなかった。どうせ患者に弁償しろなんて言ってこないだろう。そう思って無我夢中で破いた。良くないと思ってても、物に当たらずにはいられなかった。当たれば気が済むわけでもないのに。

 もう嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ! 

 俺が何したって言うんだよ!!

 なんで何もかも奪われる! 姉も、両親も、自分の命すらも‼ どうせ殺すなら、せめて逆にして欲しかった。俺が姉より先に死ねばよかった。それなのになんでっ!! 

 ――やめろ。希望を持つのも、どうしようもない現状を嘆くのもやめろ。お前はなんもできねぇだろ。なにかできたら苦労しないだろ。

 いじめられた時から知ってるだろ。――神は残酷だって。残酷でなければ、俺はとっくに死んでるハズなんだよ!!

 嘆きは止まらない。どうせ手に入らないと思うのに、期待が止まらなくなってしまう。

 ――友達が欲しい。――誰かに相談したい。このやり場のない想いを。

 ――誰か助けてくれ。

 アホか。さんざん邪険にしたくせに今更助けてくれなんて、虫がいいにも程がある。助けてもらえるわけないだろ。

 お前は人殺しだろうが!

 最愛の姉を殺したんだぞ!

 助けられたら奇跡なんだよ‼

 ボロボロになった本をゴミ箱に投げ捨て、俺は泣き崩れた。