突然俺は、転生した。


新居 工2020/07/16 11:33
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プロローグ

キーンコーンカーンコーン…

 終業のチャイムが教室内に響き渡る。

 そう俺は高校生だ。

「凑、帰ろうぜ。」

 そう声をかけてきたのは俺の数少ない友達の真吾だ。

「悪い、真吾。今日は予定がある。」

「そうか、なら明日だな。じゃあな。」

「おう。」

 軽く手を挙げ応える。

 ——その明日というのは永遠と来ないのだが……



 真吾と別れた帰り道のこと。俺は今日出る予定の新刊を手に入れるために本屋へ行く。

 俺は予定通り本を買い、帰る途中、信じられないくらいの雨が降って来た。

「今日は晴れじゃなかったのかよ。天気予報も当たらないものだな。仕方ない走るか。」

 目の前のブロック塀の曲がり角を曲がろうとした…………



「んっ。」

 どこだここ。白っぽいような、黒っぽいような、はたまた色がないような空間に気づいたらいた。そしてテンプレ通り、お爺さんが、目の前で土下座をしていた。

「大変申し訳ない。」

「どうされたんですか。お名前は…」

「まず、儂の名前はアルエノールじゃ。一応地球とは別の次元の神をしておる。そこでの力が暴走してしまってのう。地球に大雨を降らせてしまったんじゃ。」

「たしかに、いきなり大雨が降ってきたことには驚きましたけど俺がここにいることとどのような関係があるのか分からないのですが…」

「その雨のせいで流された車に轢かれたんじゃ。そこで、儂が迷惑をかけたのは間違いないから転生って形で詫びようかというわけじゃ。」

「それは、地球ですか。」

「それは申し訳ないが、儂が管理しておる世界『アレクル』ということになるのう。」

「それはよくある剣と魔法の世界ってやつですか。」

「そうじゃ。」

「じゃあお願いします。」

「べ、別に強制じゃないから輪廻転生って選択肢もあるから選んでもいいんじゃぞ。」

「やっぱりその選択肢もあるんですね。でも、俺は異世界に行きます。」

「そうか分かった。でも、そのまま行かせるのも申し訳ないのう。そうじゃ、一つだけじゃがスキルをプレゼントしよう。」

「鑑定とかですか!」

「鑑定でいいならいいが、向こうに行ったらありふれておるぞ。」

「うっ、では何を頂けるんですか。」

「他の神が作ったスキルガチャがあるからそれを引いてみるのじゃ。異世界転生する前のおみくじじゃ。」

「えぇ…。ここの空間にいるって言う状況自体が運が悪いと思うんですが(ボソッ)」

「それは言わないお約束じゃ。」

「すいません。そのガチャはどこにあるんですか。」

「ここじゃ。」

 その言葉の後、光を発してカプセルトイが現れた。

「コインじゃ。」

「そんなものもあるんですね。」

 そのコインを使い回したところ頭の中に【使役召喚】と言う文字が浮かんできた。

「これは…。」

「今から行く世界は、レベルはないが、スキルはある。そして、そのスキルは当たりともハズレとも言えないスキルじゃな。そのスキルは一回だけ召喚が出来る。そして、使役獣が、死ぬまで召喚することや送還することが出来る。ドラゴンが出てくるかもしれないし、スライムが出てくるかもしれない。本当のおみくじは向こうの世界に行ってからのようじゃな。ちなみに、そのスキルはありふれてはないが少なくもないからそこはそこまで心配しなくてもよいのじゃ。他に聞いたい事はあるか。」

「特にはないです。」

「じゃあ、転生させるぞ。二度目の人生じゃ楽しんでくれ。」

 その言葉を最後に目の前が暗転し、浮遊感が訪れた。




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