Chapter 7 - 三雨、いや.....................
「思話の雨は、誰と話す?」
「僕が、決めてもいいか?」
「いいよ!」
「どうせ、考えていることは、一緒でしょ」
二人らしい答えが返ってきた
「僕は、三雨と話したい」
「「は⁉」」
「若葉じゃないの⁉」
「なんでなのよ⁉」
予想どうりの反応だった
「お願いだから、人の話は、最後まで聞いてくれ」
「三雨いや若葉といったほうがいいのかな、どっちにしろ僕は、君と話をしたい」
彼は、困惑した顔で
「何を言っているんだい、月夜。俺は、三雨。この雨の間の管理人だ」
四つ葉のクローバーのやつを見せながら、僕は言った
「じゃあ、僕たちの情報をどこで手に入れた?なぜ、若葉のことを知っていた?なぜ、これを君が持っていたんだ?」
「呼ぶ人のことを知っておくのは、大切なことでしょう?四つ葉のクローバーは、僕が持っていたからですよ」
三雨が持っているわけがない。だってこれは、
「これは、僕たちがまだ仲の良かったとき、若葉が生きていたときに四人で作ったものだ。だから、三雨が持っているわけがないんだ」
三雨は、微笑んで仮面をとって
「相変わらず、よく考えて観察をしているね、月夜」
そう言った
「本当に若葉なの⁉」
露葉が、若葉に質問をし、紅葉は、また泣いていた
「黙っててごめんね」
若葉は、僕たちに謝ってから、言いにくそうに
「俺もまだ、3人と話していたいんだけど..............そろそろ3人は、起きなきゃいけない時間なんだ」
僕は、笑った、3年ぶりに笑った
起きるって、ここ別の世界なんだから時間とか止めてるんじゃないのかよ
3人が、僕のことをなんで笑ってんの?という目で見てくる
「やばい!本当に起きる時間になっちゃう」
「紅葉、試験頑張れよ」
若葉が声をかけると
「やだーーーー、思い出したくもない!現実つらっ」
とうずくまって頭を抱えた
「まぁまぁ、てかこれを機に女装辞めたら?隣で歩く私が恥ずかしいんだけど」
「2人は、同じ大学に行ったの?」
「それもそうだけど、一応、紅葉達、カップルなんだよね」
そうだったのか.............................でも、全然カップルに見えない
高校生の時と何が変わったのだろう
「お願い、嬉しかったよ。ありがとう」
露葉は、無邪気に笑って
「私は、自分の望みを叶えてもらっただけだから」
といった
「月夜は、今は楽しいか?」
若葉は、全部知っていたのか
「あぁ、おかげさまで楽しいよ」
若葉は、たった一夜で、冬を終わらせて春を呼び、氷をとかした
この3年間、誰一人としてできなかったことを、若葉は、たった一夜で成し遂げた
やっぱ、すごいなぁ若葉は
視界が霞んできた
もう起きなくては、いけないのか
「またね、3人とも!」
「今度は、現実世界で会おうね~」
「今度こそは、勝手に紅葉達の前から勝手に消えないでよね」
「ありがとう、若葉」
その言葉だけを口にし、僕は、眠りから目が覚めていった