Chapter 22 - 朝練
翌朝、早く目が覚めたメルは、アウラたちを起こさないように、少し離れたところでナイフの練習を始めた。
「せっかくジンクに教えてもらったんだから、腕が落ちないように努力しなきゃ」
自分の肩幅ほどのしっかりした木の幹へ向かって、集中してナイフを続けざまに投げる。
(こンなニはヤくオこスんジゃネえヨ)
(ヤだ~、スっピんミなイで!)
もう一度。
(いキてルやツにナげロっテ!)
(ヤ・さ・シ・く・シ・て・ネ)
「集中できない……」
「投げる順番、変えてみようかな?」
(ヤだ~、コ・わ・イ~)
(なンでオれガあトなンだヨ、っタく)
「はぁ……なんか役に立つこと話してくれないかなぁ」
とりあえず、言葉遣いの悪いほうを「一号」、ぶりっこなほうを「二号」と呼ぶことにして、メルは練習を切り上げた。
(かッてニおコしトいテ、もウおワりカよ!)
(ヤだ~、ヨごレてル~。はヤくフいテー!)
「練習、もうやめようかな」