Chapter 1 - 第一話 食肉
「おい貴様、俺をこの街から出せ!」
男はこの街に住むのが嫌になり兵士に西門を開けるように大声で怒鳴りつけた。
「この門より先には誰も通すことが許されていない 」
そう言ってきた兵士に対して男はさらに怒りが増した。
この世界では民は門より外へ出ることは許されていないのだ。そしてこれは北門、南門、西門、東門の4つの門があり、壁に囲まれていた。
男はとうとう門兵に殴りかかったが、相手は鎧、兜を身に付けており勿論こちらが痛い。
「いってぇぇぇーーー」
「お前馬鹿だな」
呆気なくつかまれて、牢屋に連れていかれた。この国でも法律があり、人類はそれに従わなければならない。民や普通の兵士はこの門の先を見たことはない。
「王様、男がこの街から出せと言い、殴りかかっできたので捕らえて牢屋に入れました。」
「 そうか、お前を殴ったか…素手で殴るとは鎧の硬さも知らないようだな、この国での壁の外へ出る行為は禁止だ。しかたない排除だ。」
人類は法を破るとニック王の判断により死ぬことになるのだ。
「あれを行うのですね… 」
男は牢屋からだされてキッチンに連れていかれた。キッチンにはシェフがいた。
「 今日は人間か、やりたくないが王の命令だからなーでも 嫌だなー 」
兵士から男を受け渡されたシェフは嫌々ながら王の命令を実行しようとしていた。
「なあ、あんた何をする気だ?」
男は弱弱しい声をだして、体を動かそうとするがしっかり固定されており首しか動かすことが出来なかった。
「なにって?そうだね餌だよ」
餌だと?なんなのか俺には分からない。
「何も分からない方がいいよ。何も分からない方が幸せなのかも」
「は?なんだよそれっ、頼む俺の顔に免じて許してくれ」
「すまない、これは王の命令なんだよ。やらなきゃ俺も餌にされてしまう。 」
「 なあ、頼む俺が悪かった。もう兵士を殴ったりしないから頼むよーー」
男が泣いている間にシェフは出刃包丁を研ぎ始めた。切れ味をしっかり保ち骨まで削ぎ落とす為だ。そしてこの拘束されている男を苦しませない為に。シェフは出刃包丁を両手で頭の後ろまで振り上げる。手はぶるぶる震えていたが力を入れて正確に切断できるように気持ちを切り替えた。そして左足を目掛けて一気に振り下ろした。
「あああああああああーーーーー」
男は物凄い声を上げた。
男の左足は綺麗に切られて肉と骨の断片が見える。その間から大量の血が噴き出しシェフの真っ白な服も返り血を浴びた。
「痛い痛い痛い痛い、頼むやめてくれ俺が何したって言うんだよ。」
「兵士殴ったでしょ?」
「それが何だっていうんだ、俺は、俺はただこの国から出たかったんだ。もうこの国にはうんざりなんだよおぉぉぉぉぉーーーー」
男は暴れようと必死だがしっかり固定されており暴れることはできない、麻酔はされていない。地獄だ。そして右足、左手、右手と順番に出刃包丁を振り下ろして切り落とした。すでに男は大量の出血で意識はもうない。その後、首も切断し、脳みそを頭蓋骨から取出す。目玉はアイスピックなような物で突き刺し、えぐり取る。そして両目の串刺しの完成だ。耳も勿論切り落とした。周りは血だらけだ。
「はぁはぁはぁ」
シェフの体からは大量の汗が流れる。
「よし解体が終わった。俺もこんなこと好きでしたくないよ...」
男の肉塊をビニール袋に詰めて運び出した。
「どうすればいいのだ、また奴らから肉の要求が来ている、今回は子供の肉まで...」
「王様、これ以上肉の供給をするのをやめませんか?」
「お前たちは知らないのだ。この世界の仕組みを...」
そう、皆この世界の仕組みを知らない...
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「朝よ起きなさい桜」
「ママーもうちょっと寝るー」
「さくらぁぁぁーーー起きろーーー」
ママは桜の布団を取り上げ大きな声を上げた。
「う~ん眠たいよ」
桜は目を擦りこすりながら渋々起き上がる。時計を見ると遅刻5分前、肉小学校まで歩いて20分、走っても10分だ間に合わない、桜はママに馬で送ってもらえば遅刻せずに済むし楽して学校に行ける一石二鳥と考えた。
「ねぇママ―遅刻しちゃう」
「もう桜たっら仕方ないんだから次から気を付けるのよ」
「はーい」
桜は笑顔で返事をした。そして小さくガッツポーズした。ママの後ろに乗り、出発したのだが今日は、馬の調子が良くなく歩きより遅い。結局、桜は遅刻した。
「桜ごめんね」
「ママ大丈夫、私が寝坊したのが悪かったの」
「いってらっしゃい」
「うん、いってくる」
桜はダッシュで正門を抜け急いで靴箱で上履きに履き替え階段を上る。しかし、クラスに入ってみると先生は居なかったので遅刻したことにはならなかった。
「めっちゃ奇跡!」
桜は小さくダブルガッツポーズをした。
しかし嫌な予感がしていた。いつもは、みんな賑やかなのにシーンとしていて子供たちも少ない。
「桜ちゃんおはよう!」
私の友達である舞が挨拶をしてきた。
「舞ちゃんおはよう、席が結構空いてるけどなんかあったの?」
「......」
舞は一瞬黙った。
「桜、お前は大丈夫だったんだな」
舞と話している途中、翔太も喋りかけてきた。
「どういうこと?」
「桜ちゃんは知らないの?もう席があいてる子はみんな転校しちゃったんだよ。王様から通知が来た子は転校させられるの!」
舞の目には涙が溢れてた。
「おかしいよね、お別れの挨拶も行ってないのに転校だなんて!!!!!」
「ちょっと待ってよ、学校はここしかないよね?どういうことなの」
「街の外にあるのかなー」
舞は目から涙がポロポロ落ちてる
「舞ちゃん泣かないで」
桜は舞にハンカチで涙を拭いてあげた。
喋ってるうちに先生が来た。はーいみんな席ついて今日も楽しく頑張りましょう。
先生の名前はルーシアで、眼鏡をかけていて胸も大きくとても美人、男女共にとても好かれている。
「1時間目は健康診断、2時間目は血液採取です。」
週に一度は健康診断と血液採取が行われる。
健康診断は、裸にさせられ隅から隅まで見られた。ケガや傷がある物は薬を飲まされる。血液採取は、沢山血を取られる。それにより倒れる生徒もたくさんいる。何に使うんだろうって思うくらいタンクに全校生徒の分の血液が入っている。タンクは学校の敷地の半分以上を占めている。
桜は放課後ルーシア先生に聞いてみた。
「ルーシア先生、クラスのほとんどどうして転校したの?」
「え?」
先生は桜に、にっこりしながら答えた。
「桜ちゃんはなーんにも気にしなくていいのよ、それよりもう下校の時間よ。気をつけて帰ってね。怪我したら大変だからね。」
「でも先生、私は気になるんです。学校はここにしかないはずでしょ。転校ってなんなんですか?」
「言ったでしょ。桜ちゃんはなーんにも気にすることはないの。残った子たちと今まで通り楽しくすれば...」
「...」
「私は職員会議があるから...気を付けて帰るのよ。怪我だけはしないように」
桜はとても納得がいかなかった。でも雰囲気がいつもの先生と違うし、怖くてこれ以上何も聞けなかった。
桜が靴箱からでて正門に向かう姿を見て、睨みつけた顔で舌打ちをした。
「チッ あぁぁーーーもう」
付けていた眼鏡を外し真っ二つに折った。そして髪紐をほどき髪を手で伸ばした。
「あのくそガキィィィーーー、」
ルーシアは相当怒っており窓ガラスを思いっきり殴り割った。
拳からは血が垂れてくる。
「あああああああーー」
怒りが増して声も上げた。
「秘密を探るようだったらあのクソガキ殺すしかないわね。」
そしてルーシアは廊下を歩いて行った。