いつか見た風景


千里 望2020/07/06 01:47
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因果は巡るよいつまでも、君の気持ちに関係なく

 いつからだろう?僕はいつも見る奇妙な夢があった。

白い雪景色の中、白いコートを着た女の子が仰向けで寝ている。そのコートからは血が出てきていて雪を真っ赤に染めていく……。その傍らのは黒いコートを着た男が立っていて、手には多分女の子を指しただろうナイフを持っている。白と赤と黒のコントラストが不謹慎かもしれないがとても綺麗で、そこで目が覚める。

 悪夢のはずなのに、いつも見ているからだろうか? 僕にはいい夢の様に思えていた。

 

 その夢を見出してからいく年すぎただろうか? 大学生になった僕はある少女に一目惚れをした、黒いロングヘアーが似合う白い肌の少女だ。彼女はまだ高校生で僕が家庭教師に行って知りあったんだ。少女はすぐ懐いてくれ、

「先生、受かったら何かご褒美頂戴」

と無邪気な顔で僕におねだりをしてきた。ドキドキしながら、

「何がいいんだい?」

すると小さい声で、

「北海道に行ってみたいな。内緒のお泊まりで」

と嬉しい事を言ってくれた。僕は興奮を抑えながら、

「わかったよ、頑張って大学受かろうね」

「うん!」

少女は嬉しそうにうなづいた。


 それから半年後、少女は見事大学に合格した。少女は嬉しそうに、

「先生!約束忘れてないよね」

僕が、

「男の人と一緒なのに大丈夫かい?」

と聞くと、少女はペロッと舌を出しながら

「お友達と行くってもう話してあるの、だからいいでしょう?」

今の子は随分自由だなぁと思いつつ、

「わかったよ、じゃぁ行こうか」

「良かったー、行ってみたい場所があるんだ!」

僕が首を傾げながら

「ふーん、何処なんだい?」

と聞いても

「着いてからのお楽しみ」

最後まで教えてくれなかった


 二人だけの旅行当日、少女は黒いダッフルコートに白いパンツでやってきた。案外荷物が少なめで、

「向こうに行っても帰るから」

と言う少女の言葉で

(それもそうか……)

と納得して、北海道行きの飛行機に乗った。少女ははしゃいでいて、

「先生、嬉しい!」

と、何度も繰り返しながら外の風景を楽しんでいた。


 北海道について、

「行きたかった所は何処だい?」

と改めて聞くと、

「大丈夫!場所はわかっているから」

タクシーを止めて乗り込んでしまった。何かのサプライズか? と思いながらも少女と一緒に乗る。少女は、

「ここから○○町までお願いします」

まるできた事がある様にタクシーの運転手に頼んでいる。ふと、

「北海道に今まで旅行にきた事があるのかい?」

少女は、

「初めてですよー、あらかじめ場所は調べておいたんです」

「用意がいいね」

苦笑しながら言うと、

「先生もきっと気にいってくれます」

自信たっぷりに言われてしまった。


 着いた場所は雪原だった。何か思い出しそうになった僕に少女は体当たりしてきた。見ると今日きたばかりの白いコートが赤に染まっていく。

「何で……?」

 仰向けに倒れながら言う僕の耳にしゃがんで少女はささやいた。

「今度は私の番よ、又、来世でね」

 薄れゆく意識の中で、いつも見る夢を思い出していた……そしてこの夢は永遠に覚めないループだと思いながら意識を手放した……。


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