アルカナ物語

Chapter 2 - そろそろ、お話を始めましょう。

露草 桔梗2020/07/05 12:40
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 各国の王様たちはそれぞれ考えました。仲も良くないような他国と手を組むのはお互いに嫌なのです。ですが、そうでもしなければ自国が滅びてしまうのも事実。


 そこで、手始めに軍を強くすることにしました。ソード、カップ、ワンド、ペンタクルの国は強い者から順に1~10の番号と一部には役職を与え、とびっきりの待遇を与えました。


 しかし、結果は惨敗。"ウラノモノ"はとても強く、強き兵は重症を負い、弱き兵は連れて行かれてしまったのでした。もうダメかと思ったその時...


一つの国に対し1人ずつの助っ人が来たのです。その者たちは一瞬にしてウラノモノを葬り去り、名前を聞いても特に名乗ることをしませんでした。そして最後に


 「また助けが必要になったらいつでも俺たちを呼んでくれ。」


 それだけ言い残して去ってゆきました。


 それからというもの、王様たちは他の王に知られないようにと秘密裏に"あの者たち"を捜索しました。いくら探しても手がかり一つ見つけることはできませんでした。


 そんなある日、王様たちの言う者たちを知っているという女が現れたのです。その女は国のどこかにいる"大アルカナ"たちを探して欲しいと言いました。


 もちろん王様たちは自国の軍についてくれれば100人力だと思っているので喜んで協力しよう、と言いました。


 王様たちが議論している傍で、彼女は王様たちに聞こえないようにこう言っていました。


 「早く...他の大アルカナを始末しないと...あぁ裏の世界もどうにかしないと...か」


  ――女の名前は世界...この星の均衡を保つため、強大で特殊な大アルカナたちを始末しようと考える者だったのです――