勇者の素質が無いぼくは。〜下克上の道のりを〜

Chapter 4 - カイトの街(大分短めです)

雨燕2020/06/18 11:13
Follow

二時間近く歩いて着いた。

「わぁ、フィーロの街にも負けず劣らずですね。」



「うん。この街は貿易わ盛んにしているから、活発なのは当然なんだろうね。」



カイトの街は、フィーロの街より白を基調とした建物が多い印象だ。清潔な感じがする。



「おう、カナデさん。そっちの坊主は誰なんだい?」



屋台のおっちゃんが話しかけてきた。



「この子はシュウと言って、私の弟子になった人です。よろしくお願いしますね。」



「なるほどな。カナデ初の弟子って訳だな。腕前もあるから、いい師匠になりそうだな。よし、これ持ってけ。弟子取り祝いだ。」



そう言っておっちゃんは自分の屋台の串焼きを一本ずつ差し出してきた。



「ありがとう、おっちゃん。」



おっちゃんに礼を言って立ち去る。



「そういえば言い忘れていたけど、これから私の家に住み込みで働いて修行をするからね!」



…うん?それは僕を家事代行に利用したいだけでは? てか女性が男を住み込みで働かせるって、大丈夫なのか?



自分で言うのもなんだが、僕はまだ強く信頼できる証拠がない。



「…それは大丈夫なんですか?」



「私は家族とじゃなくて一人暮らしだから、大丈夫だよ!」



…それは何が大丈夫なのか、師匠。







「ここが私の家だよ。住み込みで働いて貰うから、覚悟してね。」



カナデ師匠の家は周りの家より一階分高い、薄く青がかった白い壁の綺麗な家だった。



「流石師匠の家。とっても綺麗な家ですね。」



「そう言って貰えるのは嬉しいな。じゃ、中入ろ?」



「 ここが君の部屋だよ。うるさくしたりしなければ、何しても何置いても良いよ。ただし、備品については私の許可を取ること。いい?」



「わかりました。」



この外壁と同じような色の壁紙の質素な部屋だった。

ありがたく使わせて頂こう。



「師匠、ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいます。」



「うん。今日はいいけど、明日からは早速修行を始めるからね!」



そのあとは他の部屋について一通り説明を受け、食事をとったりしてから、この日は眠りに着いた。