Chapter 20 - パラ・スター<Side 宝良>/阿部暁子
あんただって、ずっと私のヒーローだった。(本文より)
テニスプレーヤーとして生きていく宝良と、十年来の親友である百花の、友情と青春の物語。
実は同じ世界観で描かれている、二冊のうちの一冊。こちらは宝良が主人公。百花視点の物語もあるので、より楽しみたいと言う方はside 百花も是非。
車いすを使う人、作る人、扱う人たちの物語。一度やめたテニスに、今度は車いすテニスプレーヤーとして戻ってきたこと、素っ気ない言葉をかけながらも、親友に後れを取るものかと決意している。互いに寄りかかることなく、支え合い、自らの意志で立つその強さが、彼女たちから感じられた。決して一方通行だけではない思い。人を支え合うとは、こういうことか。
「普通」とはなんだろう。たとえば目が見えなくなったなら。足が一本なくなったなら。できないことはたくさんある。けれども、できることだって、決して少なくはない。不足することに嘆くよりも、今あるもので、身を置く環境で、できることをやっていく。何もできないなんてことはない。技術だったり、金銭面だったり、できない理由を挙げればきりがないだろう。それがやらない理由にとってかわることもある。
できることはある。できないと決めつけてしまっては、面白くない。
2020年からずれて開催となった、オリンピック・パラリンピック。
もしかしたらその中に、宝良や百花の物語があったのかもしれない。