四人の雨
「お義母さんに連絡しといたよ」
「ありがとう」
車のガラスに水滴が落ちてくる。
「雨だ!」
「琴葉、うるさい」
「ごめん、月夜」
「そういえば、あの日も雨だったな」
「あの日って?」
「別にいいだろ」
思い出したくもない、悲しい記憶だ
でも、嬉しい記憶でもある。
「ねえ、話してよ」
「嫌だ」
それから10分後
「しょうがないなぁ」