
ようやく雪が降ったと思ったら
布団のぬくもりは消えていた
がらんどうになった
祖母の家に体温はなく
鬱陶しかった喧しさは
渇いた柱と
懐かしくすらあった
ひとは小さい
大きくなったと思ったら
また小さくなる
そうして帰っていく
昔いたはずであろう場所に
雪が止んだ
庭はまた乾いていく
家は忠犬のように
祖母の帰りを待っている
帰るものを失った空間は
また雪が降る前に
幽かな布団の体温が渇く前に
静かに眠りたい
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