詩「令和四年三月一日」


有原野分2023/01/17 02:57
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※2022年3月の作品です。 読んでいただけると幸いです。 いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、支援などしていただけるととても嬉しいです。 これからも応援よろしくお願いします。 あなたの人生の 貴重な時間をどうもありがとう。

詩「令和四年三月一日」

令和四年三月一日

雨の隙間を

  少しだけ広げてみたら

  宇宙の匂いがした

    哲学はいらない

    詩も

 

時を超えていくのは

いつだって観測者だ

  いつの時代も

  明日の夕暮れも

 

哲学は妄想で

詩は屁理屈で

  ぼくはきみのことが好きだ

  わがままだって言えるきみが

 

  嘘だと分かっていても

  ぼくたちは空を見上げる

  雨でも降ろうものなら

  言葉すら捨てたくなって

 

静かだった

  墓参りの歌

    宮沢賢治

    中原中也

      父

 


  自殺した兄

  蒸発した姉

    夢の中で見た

    小指がドリルになったぼくは

 

在宅で仕事をしている彼女の隣の部屋で

  いつものように小説を書いたり

    詩を書いたり

  音楽を聴いたり

    本を読んだり

雨を眺めたり

  濡れて帰ってきた娘を

叱ったり

抱きしめたり

 

  今夜はおでんが食べたい

    愛するということ

ロマンチック

火の中に

  水

(こうやって生きていければ

    いかにも哲学的で

    詩的だ)

 

だしの匂い

マシュマロを口に投げ入れて

昨日の死を感じながら

 

 雨の心臓の

   憂鬱と

   理想的なダダイストの

     傲慢な日常風景だ

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