Chapter 15 - 1章ー2 獣人の王たち
4・獣人の王たち
リグエル「人間では異能をもっていてもわかりませんが、獣人が蜜姫に会うと蜜姫からは蜜のような甘い香りがするそうです。だから、〝蜜姫〟と呼ばれるようになったとか。そう古い文献に書いてありました。」
リグエル「昔は、獣人と人間が敵対していた時期もありました。ですが、今は友好国で外交もしています。ですから、獣人の国が滅びれば我々人間の国にも危機が及びます。」
リグエル「勝手なお願いだとは重々承知しています。ですが、どうか、どうか我々を救ってはくれませんか。」
リグエルさんは、申し訳なさそうにしながら、年下の私に必死に頭を下げている。そして、その様子からとても困っているのが伝わってきた。
光輝「...お助けしたい気持ちは、あります。でも、私には異能なんてないし、特別な才能があるわけでもない。頭が良いわけでも、運動神経が良いわけでもなく、すごく可愛い容姿とかでもない。そんな私で、いいんですか。」