不思議の国、ジャパン(18) (パウロ・ボケ)


キョウダイセブン2022/10/03 01:39
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不思議の国、ジャパン(18) (パウロ・ボケ)

不思議の国、ジャパン(18) (パウロ・ボケ)



 アメリカのユタ州にプロボという町があります。そこにBYU(ブリンガム・ヤング大学)という大学がありMTC(宣教師訓練センター)が設置されています。ここで若い宣教師が世界中の言葉を学び2年間の宣教師生活を送ります。



 私は日本に派遣されることになり、山形県の天童市で宣教師をやっていました。その経験が後に

「日本で働きたい」

 という思いを育んできました。



 ATLの経験は素晴らしいものですが、私の生まれ育ったローガンのローガン中学校とは余りに違うので最初は戸惑いました。今も驚きの連続と言っていいですが、いわゆるカルチャーショックですね。



  MTCの日本語の先生は、日本で宣教師をしていた元宣教師の方でした。それは、日本語だけではなくて他の国の言葉のクラスでも現地での滞在経験がある人ばかりでした。



 ところが、日本に来て驚いたのは英語の先生なのに英語圏での滞在経験がある人はほとんどいません。大学で英語を学んだら、そのまま教師になっている人ばかりでした。



 これは、ありえない。



  私たち宣教師は2年間の日本での伝道の間に、日本語がペラペラになります。日本人が学校で6年も10年もかけて英語が話せない教育を受けていることが信じられません。

 なぜ、私たちは2年間で日本語が身に着くのか。



 それは、日本語のネイティブである日本人と毎日話をするからです。



 日本の英語教育は「文法学者」を作るために行っているかのようです。「文型、感嘆文、関係詞、時制、三単現」などの文法用語は英語を話すために必要ではありません。皆さんは、五段活用やら音便を習う前から日本語が話せましたよね。



 でも、ECCのような英会話学校が行っている暗記中心のスキット学習もオウムやインコのように“話せる”ようになるだけです。意味のある会話はできるようにならないでしょう。



 私たちは大学の時に2年間休学して伝道にでます。日本の常識からいくと「変人」ではないでしょうか?



● 時代を変革するのは、よそ者、若者、馬鹿者 

 いつの時代でも、変革するのはよそ者、若者、馬鹿者です。  明治維新を主導した坂本龍馬や西郷隆盛は20代、30代の若者でした。  トヨタ自動車よりも時価総額の高いテスラモーターズを率いるイーロン・マスクは決済会社ペイパルの創業者です。自動車業界の人からすればよそ者で、かつ、空気を読まずに非常識なことを繰り返す馬鹿者でしょう。  東南アジアの渋滞や決済の問題を解決し、今や楽天の2倍の時価総額を誇るグラブ創業者のアンソニー・タンとタン・ホーイリンの2人は、20代で創業しています。



 日本はまだまだ年功序列の国で、企業のトップは70代とか80代とかの方が多い。どんな優秀と言われた方でも、そのようなお年寄りでは未来は語れません。

「なぜ時代を変革してきた人たちが、どの国でもどの時代でも若者だったのか?」

 をよく考えた方がいいと思います。



 私は日本人から見たら「よそ者」「若者」「馬鹿者(休学して伝道に出るくらいだから)」ですが、私の言うことに耳を傾けてくれる日本人はほとんどいません。



 本当に不思議な国、ジャパンです。

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