
皆さんは今の仕事を始めるきっかけは何でしたか?
私は高校時代に出会ったユネスコ憲章の前文でした。これです。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなけれ ばならない。」
青臭いですね(笑)。でも、当時は本気でこの言葉を信じて人の心の中に平和のとりでを築くのは教育だと思って「教育学部」に進学しようと決意したんです。
今、ウクライナで戦争をしています。昨日、テレビのニュースで6歳の女の子がロシアの砲弾に当たり救急搬送されている映像が流れました。亡くなりました。医師は
「プーチンにこれを見せろ。何が起こっているか見せろ!」
と叫んでいました。看護師が泣いていました。
私も娘を持つ身として正視に耐えられませんでした。親は絶対ロシアを許さないでしょう。
この現実を前にすると、ユネスコ憲章など本当に無力です。
私はアメリカのユタ州、ローガン中学校で教師をしていました。歴史の教科書を見せてもらった時に衝撃を受けました。そこには、黒人が生きたまま火をつけられている写真がありました。彼らは白人が黒人にリンチしていたことも隠さずに教えていました。
そして、私は日本の教科書やニュースを思い出したのです。日本の教科書は絶対にそのような写真をありのまま見せず隠ぺいします。ニュースも死体はビニールシートで隠します。イジメが起こったら学校は必ず隠ぺいしようとします。
現実を直視しないのは何故でしょう。そのようなものを教育と言いません。
今日、NHKの朝ドラで
「志を失わなければ、必ず侍になれる」
と言っていました。私たちひとり一人は無力でも、それぞれの持ち場で全力で働くことは出来ます。私の場合は、英語講師なんです。現実をありのまま見ると何が見えるのでしょうか?
それは、ロシアより酷いかもしれない「強制」です。
日本には志を持った有能な生徒がいっぱいいます。それなのに、学校では
「この服を着ろ、この靴を履け、この鞄を持ち、このカリキュラムどおりにやれ、部活は強制」
という状態。英語を話せない教師が英語を教え、野球のルールを知らない教師が野球部の顧問をしている。もうムチャクチャ。
現実を直視すれば、暴走族のような落ちこぼれをヒーローにする学園ドラマばかり。ウンザリした優秀な生徒が内職をすると、教師は反省するどころか説教を始める。もっと先を勉強したい意欲ある生徒がいると
「勝手に先に進むな!」
と、先に進むのを阻止しようとする。ちっちゃなプライド。
私の塾生は、しばしば日本の学校の在り方に不満を口にする。私は愚かな人の相手をして時間とエネルギーを浪費するのは無意味なので、勝手に先に進めばいいと助言している。私は、医師になって多くの患者さんを救いたいという志を持った生徒たちの気持ちが腐るのが心配です。
私の塾は田舎にある小さな個人塾だけれど、9年連続で京都大学の合格者がでました。そのうち京大医学部医学科の合格者が3名。阪大医学部、名大医学部、慶応医学部などにも過去何人も合格しました。
そういう指導方針をとると
「アホは教えんのか!!」
と、陰口がすごいのです。ブラックメールが来ることもある。
日本は、そういう社会なんです。アメリカに居た時は、志を持って生きている学生は称賛されていました。ところが、日本では「えらっそうに!」と反発されたり妨害されるんです。でも、私は戦争を止められるのは志を高く持っている若者だと思うし、被害にあった子供たちを救えるのは医師だと思う。
だから、私のやるべきことは志の高い生徒たちの応援だと信じている。
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