君は私を魔女と呼ぶ

ノドカ視点02

Zilchちゃん2021/04/01 13:25
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そこから一学期中、ずっと怪我や物を失くすことが絶えない日々を送った。



いじめはどんどんエスカレートしていった。が、夏休みに入ってさえしまえば──そう思って耐えていた。




結論から言うと、甘かった。

夏休み初日。

やっと解放されたと思っていたところに、自宅のインターホンが鳴る。



嫌な予感がした。

そういう予感は当たるもので、インターホン越しに見えたのは加害者側の女子生徒数人。


両親は仕事に出ていて留守。家には私だけの状態だった。



「ちょっとお散歩しよっか」



有無を言わせない言葉と共に、私は家から連れ出されることとなる。



そうして連れてこられたのは、夕方の帰宅ラッシュで混んでいる駅だった。


手首を、爪が食い込むようにギリギリと掴まれながら、私はホームへと連れてこられた。




「あっ、危ない!」


私の手首を掴んでいた生徒が、大声をあげた。

──と同時に、私の身体は線路へと放り出された。




ゆっくりと遠ざかる同級生たち。ニヤニヤした嫌な笑みの中に、安藤の姿もあった。



私は、身代わりにされたのだ。

いじめるのなんて誰でも良かった。それがたまたま安藤だっただけで、何かキッカケがあればいつだってその席は交換されてしまう。



これは、不慮の事故だ。


私が線路に落とされたことではない。


私が、安藤を庇ったことだ。


だって、それ以外に何と言えば良い?



私の安っぽい正義感は、私自身を殺したのだ。