猫「またのひを」おかゆ編


中村 翔2022/09/08 00:11
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作者は承認欲求の塊

───2XXX年〜冬〜

「世界は神の怒りに触れ、3つのうちに滅びるだろう。か。」

「にゃー。」

「世界に残るは1人と1匹。」

「ごろごろ。」

「この2人が新たな救世主になる。」

「にゃーにゃー。」カリカリ

「おっと。そうだな。メシの時間か。」

ザラザラ。茶碗に猫のエサを入れる。

男はというと、手でおかずをがつがつ食べる。

カリカリ。がつがつ。カリカリ。がつがつ。

ごちそうさま。(にゃー)

この土地にも生存者は居ない。

いきなりこうなったわけじゃないけど。

男の歳は232。今年で232となるのだ。

歳なんて数えるのは馬鹿馬鹿しい。

そう思うけど。どうしてもこれだけ。

"母親がいま生きてたら"何歳か?

それは数えなくてもわかってしまう。

母親の年齢と自分の差。

それを考える以上。いや、やめよう。

今日で3日目だ。寝よう。

「にゃーにゃー。」

「おやすみ。」

「ぁおー。zzz...。」


2日後───

「ん。そろそろ起きるか。」

ペシペシ

「あー。起きるって。」

「にゃー。」

ペシペシ

茶碗にカリカリ。ざー。

カリカリ。がつがつ。カリカリ。もぐもぐ。

コーヒーを水で溶かし牛乳で割る。

人類は最後の最後で永遠に腐らない牛乳という役立たずを生み出した。

それは男にはありがたいことなのだが、男は普通だと思っていた。

ぴちぴち。

......猫も飲むしな。

砂糖は腐らない。水は貯蔵すればいい。

「コーヒーって美味いな。」

実際にはコーヒー牛乳。それも砂糖ましまし。

「ナァー。」ゴロゴロ

「ナァーナァー。」ペシペシ

「なんだ?メシなら食ったばっかりだろ。」

「ナァー。」トコトコ

ついてこいということか?

猫は近くのマンション、だった所にきた。

っと!見失った。

「「「ナァー!」」」

声が響く。

「「「「「ナァー...」」」」」

遠くなっていく。

こっちか?

「ナァー」

うぉっ!いきなりあらわれた。

「ナァーナァー」カミカミ

「こっち?」

猫が噛みながら引っ張る。

ピコ!

「なんだ...?女の子の胸像?」

「ナァー」ガリガリ

登りたいのか?持ち上げる。

「ナァー」ポチッ

ふしゅー。ビイー。がちゃん。

「けほっ。なんだ?煙多いな?火事...?」

胸像が目を開ける。

ふと違和感に戸惑う。

胸像が立ち上がり女の子の全体像があらわになる。

女の子は冬らしくニット(?)の服に身を包んでいた。

しかしスカートでもないのに下は履いてない。

「貴方は合計1.人目のご主人様になられるのですね?」

「ご主人...?」

よく分からないが昔の女の子ってご主人様何人もいるものなのか?

昔?むかし。古過ぎて思い出せない。

「ご主人様。わたしの名前はありますか?」

「な、名前?...保留ってことにしてくれないかな?」

「分かりました。保留...というのですね?」

「いやいや!違う!後で決めるってことだよ。」

「了解しました。名前については触れません。」

「でも早い方がいいのか?得意なことでも名前にすることも...いたっ!」

頭が痛い。思い出はない。頭痛。痛い。

「ちょっと眠る。話はそれからで...。」

「かしこまりました。食べやすい物を起床時間に合わせてご用意いたします。」

どこをどう歩いたのか分からない。

ここで寝るのは仕方ない事だ。

そう言い聞かせて眠る。

zzz...

カァーカァー。

カラスに突かれて目覚める。

昔のカラスは獰猛で突かれよう物なら目玉くらいくり抜かれてる。が、今となっては数が減少。そしてエサも俺がたまにやってるのもあり懐いてはいる。たぶん。

「しかしお腹空いたな。」

ザッ。という音にビクッとする。

「ご主人様。ごはんをお持ちしました。」

「あ、ありがとう。ナベ?」

「はい。ご主人様は熱があり、栄養不足の可能性がありましたので"おかゆ"を用意しました。」

おかゆ?聞いたことは...ない。

ナベの蓋を開けると

「うわぁ。」

ごはんにさまざまな具材を足して水で煮込んだものか。

「・・・いただきます。」

はむり。レンゲを口にはこぶ。

熱くはない。見た目以上に、いやこんな料理食べたことない。いや、忘れてるのか?

そもそもこんな材料はどこにあったんだ?

おいしい。まともな料理をひさびさに食べた。

カラン。

料理というものがどんなものかは知っている。

だが実践しようとは考えなかった。

「そうだ。名前としてありなんじゃないか?おかゆっていうのは。」

響きとしてはいいと思う。

「どうだ?おかゆで。なんでもいいんだろ?」

「はい。ご主人様。おかゆは嬉しく思います。」

そういえばねこは?

「猫様はご飯を食べられて散歩に行かれました。」

ねこってエサ貰えれば誰でもいいんだな。

「さて。この近辺も散策し終わった事だし食糧を求めてでぱーとにでもいきますか。」

「デパートに行かれるのですね?最短ルートをご案内致します。」

このやりとり。なんか既視感があるな。

ザッ。

でぱーとまでの1時間。なぜか会話なし。

さて、でぱーとといえば食糧品は地下一階だと相場が決まってる。

でぱーとの吹き抜け、えすかれーたーを歩いて踏破する。

流石に生物を食べるという願いは叶わないが。缶詰めであればしばらく困りそうにない。

「ご主人様。お金を払わなければなりません。所持金は"0円"です。」

そういえば遠い昔小判とかお金ってものがあって交換で買い物とかしてたらしいな。

「大丈夫だ。ほら、お店に人が居ない。つまり払う必要はないってこと。」

「わかりました。ご主人様はおかねがないのですね?私の手持ち金から代わりに出しておきます。¥1555…となりますので10年以内にお支払いください。利子…は1年単位で計算されます。」

本当に払うとは・・・。

「ご主人様。体調が戻られたとのことなので今日はスープにパンをご夕食に出したいとおもいます。」

「スープなんてどうやって作るんだ?材料なんてないし・・・。作るにしても鍋はどうするんだ?」

「おかゆには倉庫に備蓄があり、野菜なども自動で収穫する装置が標準でそなわっています。現在の情報…によると3年半…は野菜に困ることはないと思われます。」

おかゆが最初いたマンションの地下・・・それもかなり降ったところに近代とは思えないほどの未来的な菜園が広がっていた。

「ご主人様。将来的に考えますとここに野菜を育てることを提案します。核シェルターの役割も備わっていますので安全に生活することが可能です。いかがですか?」

「いいなあ。それ。でもお高いんでしょう?」

「はい。1億…9280万…5980…円を現金又はローンでご用意ください。」

「やっぱりな。怪しいと思ったこんな所にメイドがコールドスリープされてるなんてな!」

「ご主人様。おかゆはメイドではありません。ねこ型ロボットです。」

「ね、ねこ?どこをどう見たらねこなんだ??」

「ご主人様を慕いありとあらゆる願いを叶えるといえば…やはりねこ型ロボットでしょう。流行ったのは丁度ご主人様が生まれた年代になります。ただし私は銅鑼焼きではなく給金を与えられた分だけ仕事を致します。つまりゲームを遊ぶならコインを入れてね♪です。」

「生まれた頃って・・・そんな昔のこと覚えてるやつなんていないだろ・・・。」

「子供の頃の思い出はプライスレス♪です。」

この♪のあとに急に冷静になるのはなんなんだろう。

「と、とにかく。お金が欲しいなら他を当たってくれ。銀行でも行けばいくらでもあるだろうに。」

「それは違います。私が欲しているんのは対価に見合った貨幣労働に対して対価という愛が欲しいのです。これを・・・等価交換という‼︎らしいのです。」

テンションおかしいな・・・。

いきなり叫ばれるこっちの身にもなってくれよ。

「わかったわかった。どちらにせよお金無いです。お帰りください。」

「それは困ります。おかゆは通常料金はいただきませんので。労働こそは我が人生‼︎ですので。」

「ならいいけど。野菜とかもいらないからな!俺は食後のコーヒー牛乳さえあればなにもいらない。」

「ですが今なら野菜などは無料です。」

「なんでだよ・・・。」

「ご主人様は栄養が不足している状態です。このまま放置すると危険です。昨日のように急に倒れることは頻繁にあったのではと。その状態まで放置してしまったおかゆに落ち度があります。どうか御容赦を。」

「えぇーとつまりこのまま行くと俺はどうなる?し、死ぬのか?」

「ご主人様。安心くださいませ。ご主人様の年齢を考えるとそれはあり得ません。失礼ながら昨夜眠っておられる時に血を取りました。ご主人様の年齢は232…才にもうすぐなられるのですね。この年齢からいきなりお亡くなりになるとは考え難いのです。ただ、苦しいのはいやでしょう?」

「確かに苦しむのはごめんこうむる。本当にただで毎食作ってくれるならこっちから頼みたい。お願いします。」

「かしこまりました。では早速今夜の晩餐に取り掛かります。ご主人様は5階にあるレストランスペースにてお待ちいただけますよう。」

「わかった。」

うわぁ。

なんか思ってたんとちがう。

蜘蛛の巣がはり、床にはコウモリのフンが散らばっていて端的に言うときたない。

「申し訳ありません。失念しておりました。うっかりうっかり♪てへっ♫」

(ちょっとカワイイと思ってしまった自分を殴りたい・・・)

「なので少々お暇を潰してこられるのはいかがでしょう?」

〜〜〜〜〜〜

追い出されたと言っても過言ではない。

あんなふうに女の子に睨まれたのは初めてだ。

だがそれが逆に癖になりそうだ。

近くに暇が潰せるとこなんてあったかな。

〜〜〜〜


〜〜〜


「お前さんは最後まで看取るつもりかい?」

「?。なにか言われましたか?」

「おや?確かにロボットで間違いないようだ。ねこに話しかけられて答えてしまうとは。」

「ええ。私もねこ型ロボットとしてそういう機能はついておりますので。しかし、看取るとは?娶るとまちがわれたのでしょうか。」

「いいや。看取るで間違いない。お前さんはロボットだ。そして彼はただの人間に過ぎない。最期を先に迎えるのは明白だろう?」

「はい。ですのでご主人様に仕えることになったのです。これはお礼参りなのです。」

「おい。意味が違ってくるぞ。」

「こほん。これはお礼なのです。ご主人様に対する順当な対価。それを支払うのは私のいわば流儀。」

「ニャーニャー」

「?猫様?」

「なんだこんな所に居たのかねこ。」

「ご主人様。お散歩は終わられたのですか?」

「ああ。それにしても凄いな。1時間くらいしか経ってないぞ?」

レストランスペースはまるで業者が手を加えたかのように絢爛で豪勢になってしまっていた。

「はい。ご主人様の期待に応えるのも猫の仕事のうちですので」

(猫型ロボットの設定まだ続いてたのか)

「そうだ。ちょっと出かけてくるよ。」

ポンポン。

「このくらいの大きさか・・・。」

「ご主人様?子供扱いは困ります」

「ん、そうだな。じゃあ行ってくる。」

「いってらっしゃいませ。ごしゅじんさま。」

ニャー

「料理に必要な材料を取ってまいります。猫様ものんびりされていてください。」

なーごぉ……ナーナー……

猫の声が遠くなっていく。

地下へのエレベーターは止まっている。

カツッカツッ……

降りるたびに足音が辺りを満たしていく。

ジージジージ

核シェルターとはいえ中の時間が止まってしまうわけではない。当然壊れていくものもある。

(おかゆは・・・ご主人様が気づいてくれていなければ他の機械同様壊れていました)

(これはお礼。ささやかなお礼の気持ちなのです)

(ほんの少しの間だけ時間が止まってくれればいいのに)

ぽふっ

???

背後をふりむくとご主人様が立っておられました。

「似合ってる似合ってる。やっぱりメイドって言ったらネコミミだよな。」

頭の上を見るとネコミミをかたどったカチューシャが添えられていました。

きっとご主人様が私の冗談に付き合ってくれたのでしょう。

「ご主人様。感謝を申し上げます。」

服の裾を摘み、会釈をしてそういった。

「いやー。しかし記憶も案外頼りになるもんだな。街にメイド喫茶があるのを覚えててよかった。」

「ご主人様。コース料理に変更してもよろしいですか?コースなら食べるスピードに合わせることが可能です。強く推奨します。」

ならそれで。と言い残すと5階までかけて行ってしまった。

カチューシャをきゅっと握りしめておかゆもあとを追った。

〜〜〜 

〜〜

「うっうまい!プロか!?」

そういやプロどころかロボットだったな・・・

『一品食べ終わる毎に手元のベルを鳴らしてください。それに合わせてお作りいたしますので』

とかいってたな。どれ。

チーン!

「お待たせいたしました。2品目はこちらになります。」

「うわぁ!?」

いきなり目の前に現れて料理置いてったぞ。

忙しそうだな・・・。ゆっくり食べるか。



「こちらが今夜のラストメニューとなります」

「おおう・・・。沢山出しすぎじゃないか?もう満腹なんだが・・・。」

「でしたらシェフを呼んで参ります。少々お待ちを。」

シェフ?

「おまたせいたしました。こちら今夜のコースメニューを担当いたしました‘’猫様‘’でございます。」

にゃーにゃー

「あーえーと、このたびは素晴らしいコース料理でありました。なのでラストメニューはネコにお譲りします。」

にゃー。ピョンがりがりむしゃむしゃナーナー

「シェフは大変光栄だと申しております。」

「ならよかった。皿洗いくらいなら手伝うよ。」

「ありがたきしあわせ。」

「何時代だよ。」

「今は平成…の後のない時代です。なので、何時代かは考察の余地があります。」

「そういうこっちゃない。」

「どこの方言ですか?」

「九州の丁度……ってなぜ生まれを語る流れになった。」

キュッキュッ!

「ふぅー。意外と皿洗いってのは疲れるもんだな」

「ご主人様先に休ませていただきます。ではまた明日」

?。何か変だったな…まあいいか。寝よ。

「にゃー。ぁーご。zzz。」

カーカー。カー。カー。

「ふぁ・・・。夕方かぁ・・・むにゃむにゃ。」

カーカー。

バチっ!!バチバチドカン!!!!!

なんだ??マンションの方からか???

ジリリリリリリリリ!!

「火事!?」

マンションが轟々と燃えている。

おかゆ!

くそっ!煙で入口も見えない・・・。

「あたって砕けろだ!!」

タタタッ!ガシャん!!

頭から転がりながら入った!

確か初めて会ったのは3階だ!

あの装置で寝てるはず!

タッタッタッ!はぁはぁ。タッタッタッ!

くそっ!横腹に蹴りでも入れられたみたいだ!

はぁはぁ!ぐっ・・・少しくらい休んでも・・・ぐっ!ぐぁっ!

足にガラスを突き刺して無理矢理走った!

っ!ここか!

!!!。自動ドアが開かない。壊れたか!?

近くにあったイスに手をかける。

がんっ!がんっ!!どん!

「おかゆ!」

火の手が上がっていた。それはおかゆに接続された、ううん。違う。最初から遅かったんだ。火の手は・・・おかゆから広がっていた。

ぽつっ。

ザアーーーーー。

雨が降ったことで火は周りの建物に移ることはなくマンションだけ焦げ臭い匂いでいっぱいにした。

『あまり落ち込むな貴様が悪い訳でもあるまいて。』

「!。ネコ?」

「にゃーにゃー。」カミカミ

「そうか。そうだよな。こんな時には牛乳でも飲んで寝たら次の朝がきて・・・大丈夫になるんだよ。おかゆにだってこんな顔で会ったら笑われてしまう。さて!今日は飲んで忘れよう!いくぞ。ネコ!」

「・・・」

「あいつに悪気はない。ただこういう時どうすればいいか教わってないだけだ。ではな。」

トコトコ。

「ああ。そういえばこういう時にいう言葉があった」


猫「またのひを」

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