本棚記録帳

第3話 - デルフィニア戦記外伝 大鷲の誓い/茅田砂胡

季月 ハイネ2020/11/30 09:58
フォロー

「ご子息はこれまで一度もそうしたことでわたしを咎めなかったので、甘えさせていただいております。しかしながら人を使う立場であるならなおのこと、使われる者の心を知り、彼らが納得して従うだけの器量を示していただかなくてはなりません。(後略)」(本文より)



 身分も立場も違う二人が出会い、境遇を意にも介さずに、互いに唯一無二の戦友となる物語。


 デルフィニア戦記本編の外伝。まだの方はぜひ本編からどうぞ。


 国同士の駆け引き、身分による慣習、地位の違い。複雑な設定が背景にあっても読みやすく、また読後の痛快さすら感じさせてくれるのは、茅田さんのテンポの良さと、登場人物たちの気持ち良さである。本編もさることながら、番外編であるこちらも非常に読みやすい。なんといっても、次のページをめくるのが楽しみで仕方ないのである。

 主人公は本編でも欠かせない二人、ナシアスとバルロ、そして彼らを取り巻く人物たちの物語である。二人の出会いからこれまでの成長の過程、さらには本編後の彼らの姿が描かれている。彼らの物語は、本編が終わった後も我々読者があずかり知らぬところで紡がれているのだという想像をたやすくさせてくれる。

 番外編でも確かに本編に続く一冊。

 読まないのはもったいない。


 昔から、すっきりしたいときには茅田さんの本を読め、という教訓があります(あくまでも私見です)