Chapter 1 - 病院へ
この世界においてある期間、いわゆる(病み期間)という間に人間というものは生きる理由はなんなのかという疑問を抱き始める。
夢似 歩呂良もその一人だった。
「人間、いや生物はなんのために生きているのだろうか…実際のところ、そんな理由に答えなどあるのだろうか…? 」
その疑問に答えてくれる人などいない。
ここは私立夢絶学園の屋上、普段は出入りが禁止されているが歩呂良は生徒たちがいなくなった放課後の隙を狙い侵入した。
「今日で俺の人生にもさよならだな……」
今、歩呂良は自殺を図っている。ここは3階建ての校舎であり高さは約12mほどある。
頭からいけば確実に死ぬだろう。
だが、止めてくれる人などいるはずもなく歩呂良は空中に左足を置きそのまま落ちた。
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目が覚めた…目の前には白い天井。
「ここは……? 」
とても静かだったが自分の体を見た瞬間に気づいた。
………「なんで生きてるんだ……? 」
左足と左手には包帯がされていおり骨折しているようであまり動かせることができなかった。
そう、歩呂良が落ちた先はコンクリートではなく土であり草がたくさん生えていたからである。
これらが歩呂良の人生を大きく変えることになる……