年末になると、母親が「そろそろ年賀状を書かないと...」といい始めます。その度に私は「もうやめたら?」というのですが、一向にやめる気配はありません。
私は、学生時代のある日、年賀状は悪しき習慣だと結論するに至りました。それ以来、一通も出していませんし、もらっても返しません。悪しき習慣を根絶するためのささやかな運動です。
年賀状も内容が有意義だったり面白かったりすればいいんですけどね。年賀状ほど内容が空虚な手紙って他にないんじゃないですか?スーパーのチラシの方がよっぽど有益な情報が載っていますよね。
ほとんどプリントアウトで内容もテンプレだし、年始のあいさつも「明けましておめでとうございます。本年も...」で私の予想を超えるものは見たことがない。紙でなくヒノキでできた年賀状を初めて見たときは少し感動しましたけど。
イラストや写真もその年の干支とか富士山とかお決まりの内容ですよね。私は、子供の頃、絵を描くのが好きだったので、年賀状のイラストも全部手描きで一枚ごとに内容も変えていましたが、そんな年賀状はめったに見ませんよね。
自分の子供の写真を送ってくる人も多いですけど、他人の子供なんて全部一緒に見えませんか?子供好きの人ならそうでもないんでしょうか。
他にも気になるのは、全部プリントアウトだと罪悪感があるのか、一言だけ手書きでコメントが書いてあったりしますよね。その中でも特に多いのが「最近会ってないね。また会いたいね。」みたいなコメント。いや会いたくないから会ってないんでしょ。本気で会いたいなら、電話一本でもよこせば、会えるように調整しますよ。別に会いたくないけど。
このように空虚な年賀状を製造・配達するために、貴重な労働力が消費され、二酸化炭素が排出されています。年賀状が地球を破壊しているのです。人類の将来のために、一刻も早く「年賀状をとりあえず送っとく」という悪しき習慣を根絶すべきです。もちろん、一枚一枚丹精込めて素晴らしい年賀状を書いている方は、どうぞ続けてください。惰性で無味乾燥な年賀状を送るなら、せめてメールかSNSで済ませましょう。