第4話 - その男はちやほやされるのに向いていない。
学校に着いてクラスを確認すると…珍しいな…この高校の1年生はX、Y、Z組らしい…その中でも僕はY組になった…みたいだ。
あとは…お、ヒカリも一緒か!やったぜ!話せる人がいるってだけでだいぶ学校生活変わるよなぁ…。と心の中で喜んでると隣で一緒に見ていたヒカリもやったね!一緒のクラスじゃん〜!と喜んでいたみたいだった。
その後、ヒカリは新しいクラスが待ち切れずに猛ダッシュでクラスがある階まで走って行ってしまった…。元気だな…。
自分はクラスにとゆっくり向かう事にした。途中途中にある掲示板を見つつ、楽しい学校生活になるといいなぁという期待を胸に教室まで向かった。
あと、クレーエには屋上辺りに居てもらう事にした。もちろん、学校の間だけだけど。間違って声をかけそうになるし、みんなに見えてないから変な人になる事間違いなし、そう思ったからだ。
ーー無事入学式を終え、また教室に戻って担任の先生の話やプリントをもらったりし、そして最後に最大のイベントがあることを忘れていた…。
そう、「自己紹介」だ。他人からの最初の評価、つまりは初印象を決めてしまう大切なイベントだ…。
「はーい。じゃあみんなには自己紹介をしてもらおうかな!」
「はい。△△中学校から来ました。〜〜…」
まずい。非常にまずい…。なにも考えてなかった…。
「私は、××中学校から来ました。佐方…」
まずい!サ行まで来てしまっている!てか思ったけど、半分以上女子か…?多くないか…?気のせいか…。
「俺は、⚪︎⚪︎中学校から来ました。染沢…」
…ここまできたら…腹を括るか…。テンプレの感じで言うしかないな…とほほ…。
「じゃあ次は、橘さんね!」
「は、はい!えと、その…◻︎◻︎中g、…学校から来ました…たた、橘…幸良…です…!よ、よよよよろしくお願いします!」
あかん(エセ関西弁)。完全に噛んだ。てかさらっと先生から"さん"づけされてないか…?僕は男子だよ?知ってるよね?名簿に載ってるよね?
…と噛んだ自己紹介で終わってしまい、詰んだか…と思ったのだが…みんなの自己紹介も終わりHRが終わった後、そそくさと帰り家で自傷でもしようとしたその時…
「ねーねー、めっちゃ噛んでたよね?w」
「かーわいいー!ねね、趣味とかある??」
…意外と女子受けよくね?