
底の花園
突然意識が途絶えた
目が醒めたら辺りは真っ暗な闇
何も見えない
音すらしない
静寂な闇
闇の中で何処からか微かに何かの香り
闇を這いつくばりながら
香りの方へと向かった
「何処に堕ちたんだろう…」
這いつくばりながらぼんやりと考えていた
指先に冷たい感触
指先が何かの穴に入る感触
見えなくても分かる
それは頭蓋骨
恐怖を感じながら
「やっぱり…」
と、納得していた
私が堕ちた先は所謂「地獄」みたいな所
堕ちて当然の生き様…
寂しさと恐怖に耐えながら
ただ必死で闇を這いつくばり
何かの香りに近づいてきた
「甘く優しい香り」
近くなれば
その先には一筋の光が射し込んでいたのが見えた
立ち上がり骨を蹴り飛ばしながら
光へと駆け寄った
そこにあったのは…
眩しい程の光を浴びながら咲き誇る白い花園が広がっていた
甘く…
優しく…
暖かい……
堕ちた先は闇に染まった私の心
射し込む光と花園はあなた
もうここから動くことは出来ない
もうここから離れることは出来ない
もうあなたから離れるなんてこと……
出来ない…
いつまでもあなたに包まれていたい…
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