第2話 - プロローグ2
俺には妹がいる。妹の名はカミラ。父親譲りの光輝く銀髪、ルビーのような真紅の瞳に長い睫、透き通るような白い肌をしている。美しい西洋人形のような容姿だ。
このまま成長すれば、道行く誰もが振り返る……いや、それどころか、我慢できずに回り込んで前面から見る奴が出てきてもおかしくない。そんな超美少女になるだろう。
カミラは、妖精の生まれ変わりと言っても過言ではない。そんな美少女な妹がいるのは、普通に嬉しい。前世、俺は一人っ子だった。兄妹がいる友人達を羨ましく思っていた。だから、ひとしおカミラが愛しく思えてしまう。
ただ、思い返してみるに……。
記憶を思い出す前の俺は、妹と事務的な話しかしてなかった。前世の価値観で言うなら、最低の兄だったね。
記憶が戻ったのは幸いだ。
せめて兄として、妹の教育だけはきちんとしてやらればいかんと思っている。
俺が責任を持って、カミラを淑女に育てねばなるまい。前述のように両親に任せては、妹の人生が終わるから。